5月10日「ふれあいブックカフェ」

5月10日(土)はいつもの日程とは異なりましたが、先月開催の谷川俊太郎のことばの世界の第2弾、生前の谷川俊太郎と交流のあった田所恭介氏による「みんなで詩を楽しもう!」でした。生憎のお天気にもかかわらず遠方からご参加くださった方もあり、総勢14名でとても賑やかでした。田所氏は長く小学校の教員をしておられ、当時の教え子の方が3名も参加され、谷川俊太郎が子供たちをとても愛していたように田所氏も小学校での教育に詩やことばを通して子供たちを導いておられたんだな~とほのぼのとした気持ちになりました。

お話の中にはたくさんのメッセージが込められていたように思います。全部をご紹介できないのは残念ですが、いくつかをご紹介します。

文字がなくても詩はある なぞなぞ、しりとり、数え歌、田植え唄、ソーラン節など日本古来のうたも立派な詩・・・う~んなるほどそうだよね!

詩にはキーワードがある! それを自分で見つけることの楽しさを実感するために用意された所々( )付きの短い詩の( )の中に入る言葉を入れてみようでは、参加者が思いつく言葉を入れてみると、解釈の仕方により異なる言葉が飛び出し感動!

谷川俊太郎の詩の世界には、人と人をつなげる作品がある たとえば「一本の鉛筆の向こうに」(谷川俊太郎 文/酒井信彦 写真/堀内誠一 絵)では、鉛筆が出来上がるまでに世界中のいろんな人が関わっていることを絵本にしている。また谷川は地図と地球儀の違いは何か、地球儀には国境がないので地球儀が好きだと・・。国境のない、人と人が自由に行きできる世のなかはいつ来るのかな~!

谷川俊太郎と子どもの権利条約 1970年代、谷川は人には固有の人権があり、子どもでも大人でもどんな境遇の人もみんな等しく人としての権利があるということを、様々な場面で実践している。『世界人権宣言』(アムネスティ・インターナショナル日本支部、谷川俊太郎 金の星社)は国連採択40周年を記念して作られたアニメビデオを絵本化し、人間があたりまえに生きるための基準となる30ヶ条を、やさしい言葉とアニメ画を用いて、わかりやすく紹介している。また、「子どもによる子どものための権利条約」(小口尚子/福岡鮎美 小学館)は、政府の翻訳が難しいので谷川の協力で中学生が翻訳しており、目から鱗のわかりやすさ抜群!(例を別途記しました)

更に谷川は多くの学校の校歌を作詞していますが、必ず子どもや教職員にインタビューしてから作ることをモットーとし、その学校固有の姿を詩作したのでとてもユニークな親しまれる校歌ばかりだとのこと。在校生も卒業生もみんなが口ずさみたくなるだろうな~。うらやましい!

最後に、谷川は「詩はご馳走、味合うことができる」「詩は文章による写生だ!」と。田所氏からは、「感じて新しい発見を!みんな詩の心をもっているんだから」と。

あっという間の1時間余り、満たされた心を持ってみなさん帰路につかれたことと思います。


「子どもによる子どものための権利条約」 第2条1項

締約国は、その管轄の下にある児童に対し、児童又はその父母若しくは法定保護者の人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その他の意見、国民的、種族的若しくは社会的出身、財産、心身障害、出生又は他の地位にかかわらず、いかなる差別もなしにこの条約に定める権利を尊重し、及び確保する。

第2条 だから、差別なんかだめなんだってば

1 ぼくら子どもや、そのお父さんお母さん(あるいはそれに代わる人)が、どんな髪でもどんな目でもどんな顔でも、どんな肌の色でもどんな体でも、男でも女でもどっちでなくても、どんな言葉をしゃべっても、どんな神様を信じても、どんな考え方をしても、どんな国のどんな家に生まれても、金持ちでも貧しくても、体のどこかが不自由でも、心がうまくはたらかなくても、この約束に出てくる“やっていいこと”“してもらえること”は、みーーーんなおなじなんだ。

玉ちゃん図書室

「本でひろがる温かい輪」 2019年に玉川学園地区社会福祉協議会が行った「わが街くらしのアンケート」より、地域住民の要望に応え、図書室という場を通しての子育て支援、居場所づくり、世代を超えた人の交流を主たる目的として発足した玉ちゃん図書室事業です。「きんじょの本棚」ともコラボしています。 開室日: 毎週水曜、土曜 10:00〜16:00

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