11月の「ふれあいブックカフェ」

本日は11月のふれあいブックカフェでした。

今月は9日に特別企画の講演会があったためか参加者が少なく6人でしたが、距離感よく参加者全員がよくしゃべり、お茶もお代わりしながらとても和やかな雰囲気でした。

本日の紹介本はジャンルの異なる以下の5冊でした。

・佐藤春夫他編「日本童話宝玉選」小学館 昭和30年代に発刊された厚さ6.5㎜もあり、日本古来の100の童話が納められている。紹介くださった方が幼少時に親に買ってもらって、以来虜になった本でお嫁入道具として帯同し今もずっと宝物のようだという。ページをめくると誰もが親しんだお話が挿絵とともに現れ、参加者一同「わーツ!」と歓声が漏れました。しばし、昔話の世界に浸りました。

・森下典子「日々是好日」新潮文庫 茶道にまつわるエッセイ風のお話です。黒木華、樹木希林により映画化されました。日本古来の茶道が私たちの生活の中にもたらす意味や幸せにほっこりしました。

・新川和江「わたしを束ねないで」童話社 柔らかな表紙が印象的な詩集で、紹介者の好きな一節を朗読して下さり、心にしみました。「女に生まれ、恋をし、妻となり母となる、その折おりに、女である自分をふくめ、生きとし生けるものを讃えつづけ"女の一生"を綴った詩人と紹介文にあり、代表作がこの詩集とのこと。今年8月10日95歳でお亡くなりになったそうです。(合掌)

・ジーン・アウル 中村妙子訳「大地の子エイラ」評論社 紀元前約三万年、大地震で両親を失った新人クロマニヨンの子エイラは、旧人ネアンデルタールの部族に拾われ育てられることになった…。大いなる運命の下に生まれ、稀有な才能を秘めるエイラをめぐり、遙か太古の人々の、壮大な愛と冒険とロマン(紀伊国屋書店内容説明より)。全3巻あり、1988年に刊行された読み応えある物語で、紹介者は夢中で読んだそう。太古の話で想像もつかないが現代に通じるものがあるに違いない!と興味深々になりました。

・三宅香帆「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」集英社新書 今年4月に発刊され、著者は大谷翔平と同い年の新進気鋭の文芸評論家。明治時代はエリートの教養であった読書が、時代と共に娯楽となり、近年は情報としての意味合いが強く、自分にとって必要のない本はノイズとなってしまっている。IT化時代においては、ネットから個人に必要な情報のみを読む対象とし、ノイズすなわちどこかで必要となるかもしれない情報は遮断されてしまう。著者の提言は、働きながら本を読むには、「半身で働こう」、そして本を読む時間をつくることだと・・。果たしてそんな余裕を持つことが可能だろうかと、バーンアウト寸前まで働いた時代を生きてきた身には?マークが頭上についてしまいます。

来月は、ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ著「懐かしい未来」(-ラダックから学ぶ)ヤマケイ文庫を本と映像により紹介します。皆様の参加をお待ちしています。

玉ちゃん図書室

「本でひろがる温かい輪」 2019年に玉川学園地区社会福祉協議会が行った「わが街くらしのアンケート」より、地域住民の要望に応え、図書室という場を通しての子育て支援、居場所づくり、世代を超えた人の交流を主たる目的として発足した玉ちゃん図書室事業です。「きんじょの本棚」ともコラボしています。 開室日: 毎週水曜、土曜 10:00〜16:00

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